旧字体の覚え方
旧字体の覚え方 旧字体、書写体は一級、準一級では確実に覚えていなくては なりません。 ひたすら書いて覚えるよりほかありませんが、ちょっとした思い出すきっかけを 作ってやると、覚えやすくなります。 ただ、学術的ではありませんので、そんな覚え方はいけない、と思われる方は、 このページと書写体の覚え方は飛ばしてください。 教材 江守賢治先生の硬筆書写検定の手引きと問題集(財団法人日本書写技能 検定協会)を参考にしています。 手持ちの教材の中に、旧字体書写体の一覧がある方は それを使ってください。 問題集を作ります。 旧字体の例にします。 一覧表をコピーします。 江守先生の手引きではP134、P135です。 これが旧字体の模範解答用紙です。 上の段の旧字体を紙で隠して旧字体を書いてみる。 間違えた字に丸印をつけてそれだけ3−4回書いてみる。 1回目は時間もかかり、丸印も多いですが、 回を重ねるごとに時間も速くなりますし、成績も上がります。 模範解答を修正テープで消してコピーする人もいますし、 常用漢字と旧字体を入れ替える人もいます。 ご自分のやりやすい方法で練習するのがいいと思います。 コピーすれば何回でも使えます。 旧字体は121字ですから、間違った数を数えればすぐにその時々の %がわかります。 同じように書写体のページをコピーして問題、解答を作ります。 注意することがP135の左に書かれています。 旧字体で活字と書写の形が違った場合、活字の形を書いてはいけま せん。書写の試験ですので、答案は活字の形ではなく書写の形です。 しめすへんは示で書いてはいけません、ネで書きます。 しょくへんの字で餘がでたら、しょくへんは普通のしょくへんで書きます。 二のついたしょくへんは書写では書きません。 おなじように、しんにゅうのはじめの点がふたつあるときは 点はひとつで書きます。二点のしんにゅうも書写では書きません。 活字と書き文字は違うことを念頭に置いて練習して下さい。 旧字体を80%くらい覚えたら、書写体に進んでください。 書写体は、旧字体との違いがどこがどのように違うか確かめながら 覚えると、覚えやすいです。 ※------------------- 旧字体の覚え方、書写体の覚え方は、覚えやすいための 便宜上の手段ですので、正規の学術用語の使いかたはして いません。 勝手に名前やあだ名をつけたところもあります。 そこをご理解の上、使ってください。 もっといい覚え方があれば、それを使ってください。 要は試験の時に正確な形を思い出していただくことが大事なのです。 一級、準一級の合格をお祈りいたします。 ※------------------- |
旧字体の覚え方 活字と書き文字に小さな違いがあります 模範解答を見ながら正確に覚えてください 活字の旧字体は参考です |
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区分 |
活
字 |
旧
字体 |
覚
え方 |
あ
|
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悪 |
惡 |
亜−亞 白亜の殿堂中も白 |
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圧 |
壓 |
日と月が犬を見下ろす |
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囲 |
圍 |
囲碁と将棋は違う |
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医 |
醫 |
医は るまた に とり 酉は中の横線は1本です |
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為 |
龍の為に 龍のタの一画ノ+ツとします 上部は ノ+ツ |
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壱 |
壹 |
壱は豆一つ |
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逸 |
逸+
点 |
逸に点有り 二点しんにゅうは使わない しんにゅうに点がふたつあるものを 便宜上、二点しんにゅうと名前をつけます |
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営 |
營 |
営業所に火(あかり)が二つ |
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駅 |
驛 |
駅に四つの幸あり |
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円 |
圓 |
円はくにがまえに員(かず) |
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応 |
應 |
鷹の応援団 |
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桜 |
櫻 |
麗しき桜貝ふたつ |
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か |
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花 |
くさかんむりは分かれる + + 別れ草と名前をつけます |
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仮 |
假 |
階段+コ又 |
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価 |
價 |
価値あるものは貝 |
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画 |
畫 |
田んぼに一と書く |
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会 |
會
(中は田) |
タヒチで会う 會も活字の形なので使いません、田+日です |
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学 |
學 |
メガネ メガネの学生さん メガネかんむりと名前をつけます |
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関 |
關 |
関所に丱(かん) Lがたをかんぬきとします |
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観 |
觀 |
草冠は分かれます へんの部分をかんかんへんと名前をつけます 右にくればかんかんづくり |
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気 |
氣 |
気力はお米から |
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器 |
器+
点 |
器に点 |
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帰 |
歸 |
追っ手は止まって帰る ヨは二画目突き抜ける |
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旧 |
草冠+古鳥+臼 草の中で古い鳥が臼をつつく |
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挙 |
擧 |
上の部分を与太郎冠とします 与太郎が手を挙げる |
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拠 |
虎+
豕 |
虎といのこのいる処 |
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狭 |
狹 |
人々が狹い道を歩く |
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謹 |
くさに横線 縦画が上にでる |
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経 |
經 |
苦しんで経を読む |
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掲 |
人々に掲示する ヒの一画が人 |
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鶏 |
鷄 |
糸は大きく ノ+ツはかわらない(活字の形は使わない) |
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芸 |
藝 |
芸に熱を入れる くさかんむりは分かれる |
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欠 |
缺 |
あくび(欠)して缶ビールを飲むと決める |
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険 |
險 |
危険だと口々に人々がいう |
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献 |
獻 |
虎の冠を献上 とらがしらの下は隔てる(に似ています) |
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県 |
縣 |
県庁にはいろいろな係がある |
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厳 |
儼-
人 |
ツは口二つになる |
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広 |
ま
だれ+黄 |
広場に黄色い旗 黄は気をつける(活字の形は使わない) |
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号 |
號 |
虎の号令 |
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国 |
國 |
国にはいろいろな地域がある |
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さ |
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斎 |
齋 |
ヤングマンが刀を差して氏名を名乗る 氏は一画少ない |
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殺 |
殺+
点 |
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雑 |
雜 |
なべに人々が集まる |
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参 |
參 |
武蔵参上 ムが三つ |
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糸 |
絲 |
いとしいいとしい人 糸二つ |
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歯 |
齒 |
人々人々の歯 歯の形に似ています |
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児 |
兒 |
臼歯の子 |
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湿 |
濕 |
糸二つ 下は点4ッつ 6→4に |
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実 |
實 |
真実を貫く母 母と書きましたが正確には毌(かん)という字です、母と違って右下が交差しません |
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写 |
寫 |
上田さんが干潟を写す |
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釈 |
釋 |
釈さんに四つの幸 |
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寿 |
壽 |
壽 はエ+一寸の口 |
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従 |
從 |
人々が従う |
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渋 |
澁 |
止まって止まって止まって大渋滞 止が三つ |
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処 |
處 |
虎のいるところ |
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証 |
證 |
証券会社のビルに登る (危ないのでやめよう) |
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称 |
稱 |
ノ+ツ 再び ツは外に開かない。開くのは活字です、書写ではつかわない。 |
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焼 |
燒 |
土三つ |
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条 |
條 |
複雑なのが旧字体 人1のぶみ |
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状 |
爿+
犬 |
状は しょう(爿)+犬 |
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縄 |
繩 |
旁(つくり)は右の縦画が先 左の縦画 曲がり が後 |
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真 |
眞 |
姫のまごころ |
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尽 |
盡 |
書き物が皿の上で燃え尽きる 点四つをれんが 火とみなす |
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図 |
圖 |
鍋蓋の図 |
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酔 |
醉 |
人々が酔う |
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数 |
數 |
田+口 田んぼに口 |
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声 |
聲 |
声はるまたに耳 |
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摂 |
攝 |
耳みっつ 澁も止めみっつ |
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浅 |
淺 |
浅瀬に筏ふたつ |
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争 |
爭 |
ノ+ツ タの一画とツで龍とします 龍の争い |
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窓 |
窓から野の入り口に狸が見える タヌキは三画が出る |
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蔵 |
藏 |
くさかんむりは分かれる 蔵にかんぬき Lをかんぬきと考える |
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続 |
續 |
続きを買う |
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属 |
屬 |
属のうえにしたみず |
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た |
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対 |
對 |
叢(くさむら)でソの王と対面する |
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体 |
體 |
骨が豊かになったもの |
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帯 |
帶 |
前帶 中帶 後ろ帶 |
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択 |
擇 |
尺八は四つの幸あり |
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単 |
單 |
ツは口二つ |
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担 |
擔 |
危ないとハチが言う |
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団 |
團 |
車の一団 |
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断 |
斷 |
へんは断崖模様 上は糸糸 下も糸糸模様 |
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昼 |
晝 |
昼から一を書く |
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虫 |
蟲 |
三匹の虫が鳴く 虫は三つ |
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庁 |
廳 |
庁舎で耳を長くして王様のいうことを一心に聞く |
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庁 |
廳− 一 | 庁舎で耳を長くして王様のいうことを聞く 一がなくなる |
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鉄 |
鐵 |
王なるかな (一般によくいわれます) |
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点 |
黒+点 |
れんが(4ッつの点は1っ箇所) 4+4=8→4に 黒の中は点ではない |
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伝 |
傳 |
車で伝えにいく |
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当 |
當 |
上から口までをとうかんむりと名前を付けます 当はとうかんむりに田 |
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党 |
儻−人 |
とうかんむりに黒 (2点のKは活字なので使わない。) |
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読 |
讀 |
読み物を買う |
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独 |
獨 |
四人の独身者 |
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な |
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弐 |
貳 |
二つの貝 上の点がなくなる |
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悩 |
苦しみを鍋蓋の下に閉じ込める |
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は |
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売 |
賣 |
侍は四つの買い物 |
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浜 |
濱 |
砂浜で少ない貝拾い |
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仏 |
佛 |
弓で守る |
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変 |
いとしいいとしいと思うのは変? |
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弁 |
辯 |
辛い辛いと言って弁解する |
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弁 |
辨 |
言がリになる |
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弁 |
瓣 |
言が瓜になる |
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宝 |
寶 |
王様の缶のなかに宝あり |
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ま |
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万 |
萬 |
くさかんむりは分かれる |
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や |
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訳 |
譯 |
四つの幸せ |
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与 |
與 |
与太郎かんむりにハ (※与を余と書き間違えていました、すみません) |
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余 |
餘 |
食べ物の余り ニしょくへんは使わない |
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予 |
豫 |
象に乗った預言者 |
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様 |
樣 |
永く付き合うお得意様 |
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ら |
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楽 |
樂 |
糸巻きは楽しい |
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乱 |
亂 |
タツマキは家の中のムシを濡らす |
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涙 |
涙+点 |
涙がほくろを濡らす |
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礼 |
ネ+豊 |
礼は心を豊かにする 豐は使わない |
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励 |
勵 |
一万札渡して激励する |
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霊 |
靈 |
棺並んで人々が弔う |
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歴 |
木+ノ |
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炉 |
盧 |
虎も囲炉裏で温まる |
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労 |
勞 |
火二つの下で労働 |
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わ |
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湾 |
灣 |
湾でいとしいいとしいと言う |
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完了 ((121−誤字数)÷121X100) で % | |||
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(追加) |
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区 |
區 |
区の代表は品川区 (草書でよく出てくるのであげておきます) |
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欧 |
歐 |
区の代表は品川区 | |
駆 |
驅 |
区の代表は品川区 | |
発 |
發 |
発は弓にるまた (これも草書でよく出てくるのであげておきます) |
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岳 |
嶽 |
山岳に獣が走ると言う |
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竜 |
龍 |
竜が月に昇る |
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脚注 |
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江守賢治 |
1915生まれ〜2010年没 | ||
文部省主任教科書調査官を勤めた | |||
著書 字と書の歴史、毛筆書写検定の臨書など多数 |